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理事長所信

創造と変革そして考動

 

〜いつの時代も未来を創造するのは私たち青年に与えられた使命である〜

 

 

【はじめに】 土浦青年会議所は、昨年設立60周年を迎え、その歴史の中で地域のニーズや社会が抱 える問題に対して真摯に向き合い、改善に向けた数値目標を定め、将来的ビジョンを設定 し、ビジョンに向け運動を展開しております。そして、青年経済人の集合体である青年会 議所は、20歳から40歳までの年齢制限を設け、明るい豊かな社会を創造し変革を求め、常に若い青年の力で地域にインパクトを与えるために新たな挑戦をし続け、その過程の中 で議論を交わし率先して考動できる人財を育てる「世界最大のリーダー育成団体」です。 これからの少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少は、日本の歴史において未知の領域です。 少数精鋭で企業や地域運営を行う為に、組織を活性化する人財をより多く育む組織運営を 基軸とし運動してまいります。人財育成こそが未来への投資です。65周年、70周年に 向け新たな一年を歩んでまいります。

 

■人財育成室■ 【人財育成】

1990年初頭のバブル崩壊を経て、日本の経済は長い低迷期を迎え深刻なデフレに突 入しました。そして、人口減少や地域経済の縮小が叫ばれ将来の不安もありますが、地域 を創るのは「人」であり、未来を創造し変革することは青年の使命であります。私たちの 活動エリア(土浦市、かすみがうら市、阿見町、美浦村)において、本年度発表された常 住人口の20歳から65歳の男女総数は、10年後には約11,000名減少します。男 女の総数であり、全ての方が労働者ではありませんので、この人数以上の数字となると考 えます。

生産年齢人口が減少するのであるならば、組織運営を少数精鋭で効率よく効果を出せる 人財育成をすることが未来への投資です。本年度は、JCI共通で使用しているプログラ ムを提供しメンバーのスキルアップを行います。青年会議所には、受講するだけではなく 自らが講師になることができるトレーナー制度があります。この制度を活用し、メンバー の青年会議所運動へスキルの向上に努め、運動の発信力強化を目指します。また、土浦の 歴史のなかで、江戸時代に土浦藩校郁文館がありました。郁文館では文武両道を基本とし ながらも単に学問や武術の習得のみならず、将来土浦藩を担う人財育成の場として教育に 力を注いできた歴史があります。私たちも含め多くの地域市民が、土浦の礎となるべく人 財育成の講座を開催し、座学だけではなく心豊かな人間性を育み、トレーニングで得たす べての体験を自分の糧とすることで、人間力、説得力、交渉力をそなえた、創造と変革の 為に率先して考動できる人財を育成します。

 

【青少年育成】 2015年に株式会社野村総合研究所より発表された雇用の未来について、「10年後から20年後には、日本の労働人口の約49%が技術的に人工知能やロボット等で代替され る可能性が高い」という研究結果が発表されました。私たちの活動エリア内で全てにおい て代替が出来るとは限りませんが、茨城県には敷地面積日本一の工業団地があります。首 都に近いことで大手企業の誘致成功もあり、製造はすでに機械化されている現状がありま す。人の担当する職種は、創造性、協調性が必要な業務や、非定型な業務は、将来におい ても人が担うと予想されています。

将来を想定して、世界的に高く評価されている日本人の得意とする協調性や勤勉な姿勢 に、不得意とされる新たな価値を主体的に創造できるクリエイティブな人財の育成を行う ことで、世界に通用する人財の育成に繋がります。その結果、生産年齢人口が減少するな かにおいても人工知能を活かし共存することは可能になります。学校教育と将来に希望を 持ち、夢に向かって努力することの素晴らしさ、他人と協力して何かを成し遂げる達成感 は子どもたちの成長に欠くことができません。自分の住まう地域で次の世代を育てていか なければ、まちの未来はありません。学校の勉強以外の心に残る体験を提供し子どもたち の成長を促していきます。

 

■総務広報室■ 【総務広報】

総務広報委員会は、青年会議所の中心的役割を持ち、私たちを力強く支え、運動を広く 発信する青年会議所運動の屋台骨となっています。組織の最高意思決定機関である総会の 設営から、定期発送、受付等の庶務作業を担い、きめ細やかな「おもてなし」を持ってメ ンバーを迎えます。そして、ホームページの管理やSNSでの情報発信と、効果の高い情 報発信ツールを模索し取り入れてまいります。全ての委員会事業において広報活動を担う 「セールスプロモーション」。この両方を担っております。人の初対面の第一印象は出会っ て3秒で決まると言われています。これは私たちの運動に初めて出会う地域市民の皆様に 対しても当てはまると考えます。一人ひとりの姿勢や対応である「おもてなし」と、青年 会議所の運動を知らない方へ「セールスプロモーション」の両輪を回すことで、私たちの 運動が対外・対内ともに力強く広がり、青年会議所と地域市民とを繋げる環境づくりを行 います。

 

【PR】 本年度、新たにPR委員会を設けます。パブリックリレーションズ(以下PR)(Public Relations)とは、「組織体とその存続を左右するパブリック(公衆)との間に、相互に利益 をもたらす関係性を構築し、維持するマネジメント機能である」を指し、青年会議所と、 企業、行政、市民団体などあらゆる組織体が、それを取り巻く多様な人々との間に継続的 な信頼関係を築くための活動を行います。PRを設けることで、1970年代より日本に企業の社会的責任(以下CSR) (Corporate Social Responsibility)の考えが浸透し、大手企業によるCSR活動の取り組 みは進んでいますが、利益や従業員数の少ない中小企業ではあまり浸透していないのが現 状です。私たちメンバーは、企業の代表として青年会議所を通じて社会に貢献しています。 青年会議所の運動には、人財育成、青少年育成、環境事業、まちづくりと様々な運動があ ります。個別の運動に対し共通の価値観を持ち、共に活動を行うパートナー企業を模索し 同じ価値観を求めPRを行います。泳げる霞ヶ浦市民フェスティバルのように、「泳げる霞ヶ浦」を目的に、国、県、近隣市 町村などの行政や、市民団体、そして、共通の価値観を持つ企業のCSR活動との協働事 業であります。土浦青年会議所は広域エリアでの運動が可能であるメリットを活かし、企 業や市民団体、一つの行政区にとらわれず広くパートナーを求め運動推進します。企業の メリットとして、CSR活動を通じて企業の付加価値をPRして頂く事ができます。また、 事業に参加して頂く方が青年会議所メンバーと共にまちづくりに携わることで、自分たち の地域は自らの手で創っているという実感を持ち、地元のために活躍したいという感覚を 育み、日常で味わえない刺激から新たな活力が生まれます。地域市民と青年会議所運動が 織りなす事業が、更なる活気溢れるまちづくりを実現します。

 

■拡大交流室■ 【会員拡大交流】

青年会議所が誕生してから現在まで会員拡大運動は継続しております。何故なら青年会 議所は地域を牽引する人財を育成輩出し、地域全体の創造と変革に寄与する為に、40歳 までの年齢制限を設けております。その為に現在でも茨城県県会議員の7割が青年会議所 卒業生であり、企業を発展させ地域振興に対して様々な分野で社会貢献を行っております。 全ての人に青年会議所の運動が伝わるのは難しいのが現状ですが、生産年齢人口が減少す る中で、一人でも多くのリーダーの育成は必要不可欠です。また、地域の発展なくして各 企業の繁栄はありません。そして、地域も企業も繁栄させる共通点は「人」です。会員の 誰もが家庭を大切に思い、仕事を抱え、貴重な時間を割き子どもたちの未来に時間を投じ ております。まずは、青年会議所運動の賛同者を増やし、共に歩みたい組織にするために、 能動的にまちづくりに参画している私達の魅力ある姿を魅せることで、仲間と共に歩み、 時には厳しく、時にはお互いにノウハウを共有し、まちの未来を考えられる創造と変革を 共に担う仲間の会員拡大を目指します。

 

■政策室■ 【まちづくり】

まちづくりには正確な解決策があるわけではなく、時代の背景から未来を見つめ、最善 の策を考え続ける必要があります。茨城県は昭和36年に「後進県からの脱却」を掲げた 総合計画も進み、首都圏中央連絡自動車道の開通もあり、食品製造工場や物流倉庫業の新 設や増設がおこなわれました。常磐線では東京駅・品川駅乗り入れも実現し益々東京圏か らのアクセスも良くなり、うれしい話題が多い地域であります。また、歴史的にも霞ヶ浦 や利根川の恩恵で水陸交通の発展。温暖な気候により農作物にも恵まれた土地です。しか し、働き手が不足し即戦力を求めている地元企業も数多く存在しています。地域の特色を 活かし地域を経営する視点で、地域益につながる新たな取り組みが必要です。魅力度最下位であるこの地域は、2020年東京オリンピックに向け、インフラ整備を 行っている東京に一極集中している人々を、開催後どの様に呼び寄せる事ができるかを考 え政策立案していく必要があります。私たちの地域には、様々なポテンシャルがあります。 広域な視点で魅力を伝えインパクトのあるまちづくり政策を行います。

 

【環境政策】 自然環境は未来の子どもたちに責任を持ち継承する必要があります。環境問題は、私たちが豊かな暮らしを追い求めた結果であります。明るい豊かな社会を創造する私たちは、 まちづくりと環境は表裏一体であると常に意識を持ち取り組まなければなりません。まず は、まちづくり資源としても活用しているこの地域を代表する「霞ヶ浦」は、水資源とし て世界的にも貴重なものであると認識する必要があります。地球上の水は約14億km³あ るとされており、河川湖沼が占める淡水の割合は0.001%しかありません。世界では 約60億人中24億人が安全な飲料水の確保が困難な状況が続き、年間約200万人の子 供たちが水に由来する病気で亡くなっている現状があります。2018年度の第17回世 界湖沼会議の開催に伴い、改めて「霞ヶ浦」の重要性を学び、自然環境との共生を目指し 水の大切さを多くの方に知って頂く必要があります。そして、つくば霞ヶ浦りんりんロー ドの整備も完成したことでレジャー人口が増えております。霞ヶ浦の恩恵を受けている地 域市民やレジャーとして往来している方などより多くの方に、自然環境の大切さを学んで 頂く啓発活動を通して意識変革を行います。

 

【結びに】 いつの時代も未来を見据え明るい豊かな社会を創造し実現することが、私たち青年に与えられた使命であります。これまでの日本を支えた団塊世代が定年を迎え、益々生産年齢 人口の減少に拍車が掛かる中、地域を支え未来を創造する担い手の育成は急務となってお ります。企業の発展も人の器で決まり、地域を創るのも人です。全ては人の成長が未来を 変えます。本年度は、新たな時代への投資として、人財育成を基軸に全ての運動を展開し てまいります。ダイヤモンドは、ダイヤモンドでしか磨かれないように、人は人でしか磨 かれません。青年会議所は、40歳まで己を磨き多くの人的ネットワークを築き卒業する ことで、それぞれの地域で活躍し、明るい豊かなまちを創造し率先して考動するリーダー を輩出してきました。私たちも、失敗を恐れず何事にも妥協を排し仲間と共に、一般社団 法人土浦青年会議所の歴史に責任と誇りを持ち、未来に向けた第一歩を強く踏み出すこと をお誓い申し上げ理事長所信とさせて頂きます。

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